【情報漏洩注意】ハードディスクのデータ抹消作業・初期化でデータ復元できるのか、フォーマットでは復元できるのか試してみました!

こんにちは!イマジネットPCサポートの橋崎です。
先週にパソコン処分とデータ抹消のご依頼を東大阪市のお客様から頂きました。

NECのパソコンで販売から10年以上は経過しているMateでしょうか?
このパソコンからの入替は5年くらい前に完了していたらしいのですが、やはりデータ漏洩が気になり中々処分できずに倉庫にしまっていたらしいのです。
それを今回パソコン処分とデータ抹消のご依頼を頂きました。
今回はお客様のご協力も頂き色々と検証してみたいと思っています。
- 1. Windows初期化でデータが復元できるのか?
- 2. 確認した内容はこちら
- 3. ハードディスク作業の前置き
- 4. パソコンのハードディスク復元作業
- 4.1. Windows初期化クリーニング実行なしからの復元
- 4.2. Windows初期化クリーニング実行ありからの復元
- 4.3. 抹消ツールで抹消作業後に復元作業。
- 5. USBフラッシュメモリ作業の前置き
- 5.1. USBフラッシュメモリ内データを削除して復元作業。
- 5.2. USBフラッシュメモリをクイックフォーマット後に復元作業。
- 5.3. USBフラッシュメモリを通常フォーマット後に復元作業。
- 6. クイック・通常フォーマット
- 6.1. クイックフォーマット
- 6.2. 通常フォーマット
- 7. まとめ
Windows初期化でデータが復元できるのか?
皆さんはパソコンを処分する時やUSBフラッシュメモリ・SDカードを処分する際に保存してあるデータをどのように消去していますか?
まさかパソコンはWindows初期化のみ、USBフラッシュメモリやSDカードを※1クイックフォーマットや削除だけを実行して業者に処分を依頼したり中古屋さんに転売、ネットに出品または知り合いに譲ったりしていませんよね?
それってホントに危険ですよ!
※1 目次の「通常フォーマット」の項目でも説明していますが、クイックフォーマットではなく通常フォーマットでは現在データの復元は出来ません。

ほんとはリンクを張りたいのですが、あまりお勧めできないので文字だけの紹介にします。YouTubeで「データ復元」と検索してみると中古業者から購入したハードディスクをデータ復元したらどうなるか? と言う動画が数本あります。
先に結論を言いますが、動画ネタにしているぐらいなのでデータ復元に成功している動画です。
パソコン等は会社で使用していれば社内の機密情報もあるでしょう。個人の場合でもプライベートな資料や画像も沢山保存していたと思います。それらを簡単に復元しています。
他社の機密情報を漏洩した場合は損害賠償の対象になるかも知れません。プライベートな資料であればネットにアップロードされてしまうかも知れませんよね!
そのような事は避けなければいけません。
ではどのようにしてデータを消去したらよいのでしょうか?
今回はそのあたりと実際にWindows初期化してデータ復元をしたらどうなるか?
一緒に確認していきたいと思います。
確認した内容はこちら
パソコンに搭載しているハードディスクを取り出してクローンを2台作成しました。
つまり搭載しているハードディスクと合わせて、同じ内容のハードディスク3台用意して以下の1・2・3のように処理しました。
合わせてUSBフラッシュメモリについてはフォーマットについても調べて見ましょう。こちらは削除した状態・クイックフォーマット・通常フォーマットを実行してからの復元も確認してみました。
- データのクリーニングを実行せずに初期化後に復元作業。
- データのクリーニングを実行して初期化後に復元作業
- 抹消ツールで抹消作業後に復元作業。
そしてクイックフォーマットと通常フォーマットをUSBフラッシュメモリを使用して検証します。
- USBフラッシュメモリ内データを削除して復元作業。
- USBフラッシュメモリをクイックフォーマット後に復元作業。
- USBフラッシュメモリを通常フォーマット後に復元作業。
これらをそれぞれ実行しますよ!
クリーニングの有無とは?
Windows初期化にはデータのクリーニング実行の有無を選択する事ができます。

「ファイルの回復はより困難になります。」と説明がありますね。
ハードディスク作業の前置き
先にいくつかお伝えします。
作業内容は以下の通りです。
操作はWindows10です。
Windows初期化は「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「このPCを初期状態に戻す」→オプション選択はもちろん「すべて削除する」を選択して実行しています。
クリーニングありの場合はさらに「設定の選択」からの操作が必要です。
復元結果について
復元結果についてはドライブをまとめて復元しているのでファイルの数は膨大な数となり、実際の復元作業までは行っておりません。従って復元できるであろう候補数のお伝えとなります。
使用した復元ツールについて
この記事では復元作業に使用したツールのご紹介はしておりませんが、実際に使用したツールは3種類使用しました。
※時間の都合上、全ての作業に3種類のツールを使用した訳ではありません。
パソコンのハードディスク復元作業
ファイルカテゴリーをピクチャー(画像)、ビデオ(動画)、ドキュメント(ワード・エクセル・その他)、オーディオ(音楽)、その他に分けて発表します。
数値は検出されたファイル数です。
Windows初期化クリーニング実行なしからの復元
ピクチャ | 255358 |
ビデオ | 432 |
ドキュメント | 125162 |
オーディオ | 2592 |
その他 | 1358146 |
どうでしょうか?
ドライブをまとめて指定しているので、かなりのファイル数が検出されています。
※この検証は初期化前のデータが完全に復元した内容ではありません。
Windows初期化クリーニング実行ありからの復元
ピクチャ | 18746 |
ビデオ | 42 |
ドキュメント | 3036 |
オーディオ | 309 |
その他 | 58138 |
クリーニングなしに比べると数値は桁が変わるほど減っているので一定の効果はあるようです。
※この検証は初期化前のデータが完全に復元した内容ではありません。
抹消ツールで抹消作業後に復元作業。
ピクチャ | 0 |
ビデオ | 0 |
ドキュメント | 0 |
オーディオ | 0 |
その他 | 2 |
抹消ツールを使用した場合はあきらかに結果が違いますね。
検出されたファイルはシステムボリューム情報のファイル2つでこれらのファイルを復元しても意味はないでしょう。
結果として抹消ツールを使用してデータを削除する方法はお勧めです。
続いてUSBフラッシュメモリの検証も始めましょう!
USBフラッシュメモリ作業の前置き
ここからはハードディスクの内容とは違うので作業の前置きをご説明しておきます。
- USBフラッシュメモリを先に抹消ツールを使用してデータの抹消をします。
- その後、一定数の画像ファイルを保存します。
- 削除後、クイックフォーマット後、通常フォーマット後の順に復元作業をします。
1~3を繰り返します。尚、保存する画像ファイルは全て同一でファイル数も同じにしています。こちらの作業は実際に復元まで行います。
さぁ どうなるでしょうか!
USBフラッシュメモリ内データを削除して復元作業。
保存して削除した画像ファイル
※ごめんなさい。表示してはいけない画像が混じっていました。

復元された画像ファイル

ファイル数や名前は一致していませんが、全て復元されています。
USBフラッシュメモリをクイックフォーマット後に復元作業。
保存した画像ファイル

復元された画像ファイル

こちらも名前は違いますが、全て復元されています。
USBフラッシュメモリを通常フォーマット後に復元作業。
保存した画像ファイル

通常フォーマットした状態からは画像ファイルの復元は出来ませんでした。
念の為にこちらの復元作業は復元ツールを3種類使用して確認しましたが、3種類とも復元が出来ませんでした。
通常フォーマットはデータ抹消作業として使えそうですね!
削除・クイックフォーマットで見事に復元されている事で勘違いしない為に
検証では抹消ツールを使用してデータの抹消後、画像ファイルを保存後すぐに削除・各フォーマットを行い、そして直後に復元作業をしているので、復元できた場合は同じファイルが見事に復元されています。
これが削除・フォーマット後にスグに復元作業をせずに新たに別のファイルを保存してからの復元作業になると目的のファイルが上書きされて希望のファイルが復元できない場合があります。(通常はこのような使用の仕方ですよね!)
ですから実際に復元したい場合はUSBフラッシュメモリやパソコンから必要なファイルが紛失した事に気付いた時点から一切何も保存せずにスグ復元作業する事が重要です。(気付いたらスグに復元作業をしましょう!)
クイック・通常フォーマット
フォーマットについて簡単にご説明します。
フォーマットはデータを削除するための操作ではありません。本来はハードディスクやUSBフラッシュメモリを使用するための準備作業とでも言いましょうか。
例えばWindowsパソコンに使用するためには、それ用の形式(NTFS等)でハードディスク内を指定する必要があるのです。このフォーマット作業後にハードディスク内のデータも見えなくなります。
フォーマットをする前にこのような警告が表示されるのでデータ削除で使用されるようになったのでしょうか?

フォーマットについて詳しく知りたい方は別に調べてもらうとしてクイックと通常の違いとはなんでしょう。
クイックフォーマット
フォーマットとは先ほども説明したようにハードディスク等を使用するための準備作業です。
エクスプローラーからPCを開きドライブ上で右クリック→フォーマットを選択するとこのような表示があり、初期値ではクイックフォーマットにチェックが入っています。このまま実行すればクイックフォーマットで実行されます。

クイックフォーマットでは簡易的に準備作業を行います。実際にはデータ削除はしていません。見えなくしているだけなのです。今回の検証でもクイックフォーマットでは復元できましたね!
通常フォーマット
通常フォーマットと言う呼び名は当店が勝手に言っているだけで正式な名称ではありません。
上の画像でクイックフォーマットのチェックを外して実行すれば通常フォーマットとして実行されます。クイックとの違いは使用するための準備作業は同じですが、こちらは不良セクタの処理も行います。不良セクタの処理については今回の記事内容と外れるので触れませんが、もう一つ重要な作業をしています。

それはデータの上書きをしているのです。
実はデータ上書きはデータ復元を阻止する一番効果のある作業なのです。実際の抹消ツールでもデータの上書きを行っています。
ネットではフォーマットからデータ復元できると書かれていたけど?
ネットで調べて見るとフォーマットからはデータ復元できると書かれた記事をよく見かけますよね!
確かに以前のフォーマットにはデータ上書きの機能がなかったので、その時代は復元が可能でした。
しかし現在のWindows10で行う通常フォーマットは先ほども説明した通り上書きをするので、基本的には復元は不可能ではないかと思います。
実際に復元は出来ませんでした。
まとめ
こちらはご注意です。
USBフラッシュメモリやSDカードを処分する場合
お勧めは抹消ツールを使用して少し複雑な上書き作業を行うのがお勧めです。
しかし基本的にはWindows10の通常フォーマットでよいと思います。クイックフォーマットや削除だけは絶対にダメ!
こちらはご注意と少し宣伝させて頂きます。
パソコンを処分する時
ハードディスクやSSDは抹消ツールを使用してから処分がお勧めです。
いやいや通常フォーマットでも復元できないなら、わざわざ抹消ツールを使用しなくてもいいんじゃない?
そのような声も聞こえるようですが、実際にパソコンのシステムドライブをフォーマットしようとするとできません。

実際には抹消ツールからパソコンを起動させるかハードディスクを取り出して作業するしかありません。

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お疲れ様でした!
ご注意
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