【超簡単】LANケーブルの選び方やカテゴリーについて!

こんにちは! イマジネットPCサポートの橋崎です。
当店ではパソコントラブル対応以外にもパソコンの設置・設定の件数も結構あり、当然LANケーブルの配線作業も含んで行う事が多くなります。
特に会社等の事務所ではパソコンの台数が多くなるのでLANケーブルやコンセント等の配線が多くなり非常に煩雑になります。
ですからLANケーブル等は余分な長さのものを使用するとさらにゴチャゴチャになってしまうので、ルーターやハブからの距離を合わせる事とコネクター付では空菅が通らない事もあるのでLANケーブルは自作しています。
自作LANケーブルの記事は次回にして、今回はLANケーブル選び方について少し解説したいと思います。
LANケーブルの種類
LANケーブルとは?
LANケーブル自体はご存知の方が大半だと思いますので、簡単に説明します。
パソコン同士の通信やインターネットに接続するために使用するケーブルです。
使用方法はパソコンとネットワーク機器(ホームゲートウェイ・ルーター・スイッチングハブ等)を接続します。
古くはパソコン同士を直接接続していました。
ストレートケーブル・クロスケーブル
令和の時代にこの違いを説明する必要もないと思うのですが、他の記事ではあまり取り上げていないようなのでついでに説明します。
現在は家電量販店でLANケーブルを購入する際にストレートケーブル・クロスケーブルの区別を確認して購入する必要はまずありませんね!
そもそもクロスケーブルって店頭にありませんよね!
しかし以前は家電量販店でもクロスケーブルも販売しており、購入する時には間違わないように確認する必要があったんですよ!
おそらく40代以上の方であれば分かって頂けると思います。
ここではケーブルの構造は解説しませんが、次のような接続方法で使い分けをしていました。
クロスケーブルの接続例
クロスケーブルはパソコン同士の通信のためにパソコンからパソコンへ直接LANケーブルを使用して接続します。

ストレートケーブルの接続例
パソコン同士を通信するために接続するのはクロスケーブルの場合と同じですが、こちらは間にルーターを通して接続しておりパソコン同士を直接接続していません。この場合にはストレートケーブルを使用します。

ご覧頂いた通りクロスケーブルは通信する台数も限られますしインターネットにも接続していません。それに対してストレートケーブルはルーターを使用する事で通信する台数も増やす事が出来ますしインターネットにも接続できます。
どちらの使用頻度が上になるか一目瞭然ですね!
正直に申し上げて当店でもクロスケーブルの設定作業は記憶にありません。
通信速度による種類(カテゴリー)
ストレート・クロスケーブルについて現在ではほぼストレートケーブルを使用するので気にする必要はありません。
しかし契約しているネットの速度や使用しているネットワーク機器の通信規格に合ったケーブル選びは気にした方が良いと思います。実はLANケーブルには選びやすくするためにカテゴリー分けがされています。
※以後の通信速度については基本的には下り(ダウンロード)を指します。
※通信速度は本来であればパソコン間の伝送速度を見るべきだと思いますが、ここでは皆さん興味のあるネット回線の速度にスポットを当てております。
通信規格
下の画像はバッファローのスイッチングハブの箱に記載されている通信規格です。ここでは意味がわからなくても次に対応表を表示するので、そこでわかると思います。

皆さんも家電量販店などでLANケーブルを購入する時に「CAT6」「CAT7」と表記してある商品のどれを購入すればよいのか迷った事はありませんか?
このように表記されています。
商品には画像のように「6A」や「CAT7」とカテゴリー番号が記載されています。画像では分かりにくいですが、長さの下にストレートケーブルと表記されています。

カテゴリー表
LANケーブルは以下のように分類しており、数値が大きくなるほど(表では下に行くほど)最大通信速度が大きく(速く)なりますが、価格も高くなります。
カテゴリー | 最大通信速度 | 通信規格 | 加工方式 |
カテゴリー5 | 100Mbps | 100BASE-TX | UTP |
カテゴリー5e | 1Gbps | 1000BASE-T | UTP |
カテゴリー6 | 1Gbps | 1000BASE-TX | UTP |
カテゴリー6A | 10Gbps | 10G BASE-T | UTP・STP |
カテゴリー7 | 10Gbps | 10G BASE-T | STP |
カテゴリー7A | 10Gbps | 10G BASE-T | STP |
カテゴリー8 | 40Gbps | 40G BASE-T | STP |
通信最大速度の見方
上の表でカテゴリー別に記載している最大通信速度について少し説明をします。
例えばカテゴリー5の「100Mbps」で説明すると前の「100M」は「100Mbit」のデータ量を表します。その後ろの「bps」が付く事で1秒間で100Mbitのデータ量を伝送する事ができると言う意味です。
この下は訳が分からなくなるので興味のある方だけ読んで下さい。(間違っている可能性有り)
通信速度を表す「100Mbps」の「100M」は私たちが一般に使用しているデータの単位「メガバイト」と同じではありません。実際には8倍の差があります。数字が大きいと分かりにくいので小さくします。
データを「1byte」として、これを通信速度で表すと「8bps」になります。
通信速度「100Mbps」の「M」を解除すると「100000bps」となり、「1byte」が「8bps」ですから100000を8で割ると「12500byte」になり、わかりやすいようにMB(メガバイト)で表しましょうか!
となると1000で割るのでデータ量としては1秒間に12.5MBのデータを伝送できると言う事になるのでしょうか?
間違っていたらゴメンなさい。
加工方式
カテゴリー表の右の列に加工方式を記載していますが、これについて簡単に説明します。
UTPについては一般家庭や一般の事務所で使用する場合はあまり気にする必要はありません。
STPはノイズの影響を軽減する加工がされています。
カテゴリー6Aのみ加工方式が2通りになっているので確認が必要です。
この表を使用して例をあげながら、どのカテゴリーのLANケーブルを選べばよいか見てみましょう!
最近は10Gbps(10ギガコース)を提供する回線業者も増えてきましたが、現在ほとんどの家庭では1Gbps(1ギガコース)の契約をされている方が多数だと思います。上の表で見ると最大通信速度が1Gbpsを対応しているカテゴリーは「5e」移行ですね!
ネッワーク機器の通信規格が例えば上のバッファローのスイッチングハブを使用しているとします。規格は最大で「1000BASE-T」なので、これも「5e」移行ですね!(※今回はわかりやすくスイッチングハブのみの説明ですが、実際はパソコンのLANアダプターなども考慮します。)
この例のネット回線速度とネットワーク機器を考慮してLANケーブルを選ぶとカテゴリー5eを購入すれば良いのです。
しかし実際にはカテゴリー5eを店頭で販売しているお店はほとんどないのでカテゴリー6を購入する事になるでしょう。
ネット回線速度は契約コース通りの速度は出ていません。
これもご存知の方も多いと思いますが、例えば契約が1Gbps(1ギガコース)だからと言ってこの速度がマックス出ている訳ではありません。
じゃー私の家はどれぐらいなの?
速度が気になる方はこちらからどうぞ(FAST.com)簡単に回線速度が計れます。
気になるところですよね!
まず第一に速度は建物の構造と使用人数によってかなり変わります。
一番速いのが戸建と光配線方式を採用しているマンションです。
およそマックスの6~8割程度(600~800Mbps)
※マックスの速度1Gbpsは約1000Mbps
但しマンションは回線使用人数が増えると遅くなる影響があります。
さらに光配線方式以外を採用しているマンションや集合住宅では1割程度になってしまいます。(100Mbps以下)こちらも使用人数が増えると影響がありますので常時1割は切るでしょうね!

そうなってくるとLANケーブルはネット回線だけを考慮するならば、契約が1Gbps(1ギガコース)の場合はカテゴリー6で十分だと思いますが、今後は契約が10ギガコースの提供も増えてきますし、興味もある方も多いと思うので余裕を持たせてカテゴリー6A(UTPケーブル)がお勧めです!(2022年6月の時点)
カテゴリー7以上はどうでしょう?
これまでの説明を確認すると特に必要ではないと思います。
カテゴリー8に至っては最大速度が40Gbpsですから回線契約を最大10ギガコースにしてもかなりお釣りがきます。ネットではなくパソコン間やNAS間で40Gbpsを味わおうとしても対応するネッワーク機器を準備するにもかなりのお金が必要になるのではないでしょうか?
LANケーブルだけをカテゴリー7以上にしても実は意味はありませんからね!
それに6Aも一部ありますが、7移行はノイズの影響を軽減するため加工方式が「STP」を採用しています。この「STP」は一般家庭や一般の事務所使用には向きません。それどころか使用出来ない場合もあるらしく基本的にはお勧めしません。
カテゴリー7については使用出来ないこともないかも知れませんが、8については全くわかりません。
当店では7も8も使用した事はありません。
使用する時は自己責任で
もし使用を希望する場合は購入前に専門家に確認する事をお勧めします。(詳しい店員さんでも良いと思います。)
その他
残る選択の要素は色やケーブルの長さ、細いものや平べったいタイプもあります。
そしてケーブルのしなやかさ(曲げやすさ)でしょうか!
これらは使用する環境によって選択すると思うので実際に店頭で確認するのが良いのではと思います。
勿論、長さは長くなるほど価格は上がります。
ケーブルの太さは通常の太さより、細いタイプや平べったいタイプの方が価格はあがります。
それぞれ予算もあるでしょうから、それらも考慮して選びましょう!
最後にカテゴリー準拠と対応について
最後にこの部分にも触れておきたいと思います。
それぞれのカテゴリーには「準拠」と「対応」の2種類があります。(ややこしーなぁー)
こちらの商品の画像にも「準拠」と表示されていますね!

では「準拠」と「対応」はどのような違いがあるのでしょうか!
調べてみても簡単に解説しているものはなく、わかりにくい解説だったので当店独自の解釈で説明します。
準拠
性能(通信速度等)は各カテゴリーと同じ性能と品質ですが、メーカーにより基準がありマチマチな製品。
対応
こちらは規格で定められている通信速度・材質・寸法・形状が全て満たしている製品
「対応」の方が規格通りに製造されているので(特に通信速度)できれば選ぶのは「対応」です。
それではまたお会いしましょう!

大阪府八尾市を拠点に大阪府・奈良県・京都府南部を中心にパソコン出張サポートを20年近く自営で行っています。パソコン・周辺機器のトラブルやご相談はお気軽にお問い合わせください。
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