ネット10ギガ回線へプラン変更のご注意

こんにちは! イマジネットPCサポートの橋崎です。

今回は自宅や事務所のネット固定回線を10ギガプラン変更する際に注意してほしい点と意外なトラブルが発生した実例をご紹介しようと思います。

10ギガ回線について

皆さんのお宅や事務所で現在使用されているインターネット接続固定回線の容量(速度)は1ギガプランが大半を占めていると思います。

しかし最近、10ギガプランの広告が目に付くように感じませんか?

この10ギガプランは文字通りインターネット接続回線の容量(速度)が10ギガと言う事です。説明するまでもありませんが、現在主流の1ギガの10倍の容量(速度)と言う事になります。

10倍ってスゴイですね! めちゃくちゃ速くなりそうです。

勿論、実際の速度が10倍になる訳ではありません。

ありませんが、実際に速くなります。ネット回線が速くなる、つまり快適になる事はご説明するまでもなく良い事ですね、また10ギガが普及する事で様々なネットコンテンツやサービス向上にも貢献するでしょう。

でも、お高いんでしょ?

なるほど、速度が10倍になりますから値段も10倍になるのかも?

心配いりません。

勿論、回線を提供している会社にもよりますが、大きく値段が上がるような事はありません。

しかも今、申込みするとキャンペーン期間中なので月々980円で半年使用できます。

更に今なら工事費用も無料です。

なるほどそれで、速くなるなら申込みしないと損ですね!

早速、申込みしましょう。

でも、ちょっと待ってください。

申込みの前に色々と確認しておいた方がよい点がいくつかあります。

そのあたりをよく検討してお申込みされる事をお勧めします。

10ギガプラン変更の注意点

1ギガを10ギガに変更する場合、現在ご使用のネットワーク機器の見直しとそれにより交換が必要となります。

※あくまで10ギガに対応するための機器交換です。10ギガに申込みしたけど対応しない場合はこの通りではありません。(10ギガプランの意味はありませんが・・・)
また最大通信速度は下位互換するので、1ギガ対応の機器であっても通信は可能です。但し、1ギガ対応機器の配下はその機器の最大通信速度となります。
更にこの記事ではネットワーク全体を10ギガ対応にする事を前提にしています。ネットワークの一部分を対応する場合はこのとおりではありません。

LANケーブル

LANケーブルは最大通信速度により「カテゴリ」分けされています。

10ギガプランでは最大通信速度が10ギガ以上に対応したカテゴリのLANケーブルを使用する必要があります。

そのためにはまず、現在使用しているLANケーブルのカテゴリを確認しましょう。

カテゴリは「CAT.5e」などとLANケーブルに記載されています。また配線規格名で記載されている場合もあります。例)ANSI/TIA/EIA-568-B.1

例はカテゴリー5ですが、他の場合でも検索するとカテゴリがわかります。

困るのがなにも記載がない場合です。

現在、記載がないLANケーブルは基本的に「CAT.5e」までと判断します。

「CAT.5e」の最大通信速度は1ギガまでとなり、記載がなにもない場合は交換対象となります。

10ギガプランに対応しているものは以下の通りです。

  • カテゴリ6A・・・最大通信速度10ギガ
  • カテゴリ7・・・最大通信速度10ギガ
  • カテゴリ7A・・・最大通信速度10ギガ
  • カテゴリ8・・・最大通信速度40ギガ

カテゴリ6Aから7Aまで最大通信速度が同じですが、伝送帯域の値が違います。
※この記事では伝送帯域については触れません。

当店では現在のところ値段が手頃な「カテゴリ6A」をお勧めします。

1秒でも速くと回線速度にこだわるならば7もしくは7Aを選択します。

カテゴリ8については次世代ですね。

カテゴリが上位になればなるほど価格は上がります。

交換は現在使用している全てのLANケーブルが対象です。

宅内に配線されているケーブルも対応する必要があり、ご自身で工事ができなければ業者への費用も必要になるので結構な出費になる事が予想できますね。

もうたいへんです。

スイッチングハブ

スイッチングハブをご使用ですか?

ご家庭ではあまり使用していないかも知れませんが、事務所であれば基本的には使用していますね。

ネット接続機器を増やすため設置するスイッチングハブもやはり10ギガに対応する必要があります。

おそらく現在使用しているものは最大通信速度1ギガでしょう。

では、早速購入したいですが、基本的には10ギガ対応スイッチングハブは業務用になるので、やはり1ギガタイプと比べると非常に高額になります。

選択する製品によって数十万円は必要なので1ギガと比べるとかなり金額差がありますね。

また機種選びにも気を付ける点があります。

それは発熱です。

10ギガ対応のスイッチングハブは使用状況によりかなりの熱を発生する場合があります。

熱対策によりファンが内蔵されているタイプもありますが、業務用なので設置場所がサーバールームを想定しています。ファン内蔵タイプは音が非常に大きいらしく、家庭で使用するにはファンレスを選択した方が無難です。更にファンレスで放熱に優れている製品となるとなかなかの金額になるでしょう。

また他にも細かな注意点があり、選択は専門家やネットなどで良く調べた上で購入するようにします。

無線LAN機器

こちらはほとんどの方がご使用になっていると思います。

スイッチングハブ同様、こちらも10ギガ対応にする必要があります。

無線LANは10ギガでも家庭用が販売されているので、金額はスイッチングハブと比べると安価になりますが、1ギガタイプと比べるとおよそ2~4倍はすると考えた方が無難でしょう。

既に10ギガプランを契約されている方はご存知だと思いますが、回線業者が設置するホームゲートウェイの有線ポートの10ギガは基本的に1ポートで他のポートは1ギガです。

このポート構成は実は無線LAN機器も同じで全てのOUT側の有線ポートが10ギガ対応になっている訳ではありません。

つまりホームゲートウェイも無線LAN機器もOUT側の有線ポートは4口中10ギガ対応は1口だけの機種がほとんどです。

無線LAN機器は基本的にWiFi接続が前提だと思うので有線ポートはあまり関係ないと思うのですが、次のような場合はスイッチングハブが必要となります。

それは有線LANで構築する場合です。

全てのデバイスで10ギガ接続をご希望であればスイッチングハブでポート数を増やす必要があります。

また事務所では基本的に有線LANでご使用になっていると思いますが、ご家庭ではWiFiが基本なのであまり関係ないように感じるかもしれません。

しかし宅内に有線LANケーブルが各部屋に配線されているお宅が多いのではないでしょうか?

最近ではイージーメッシュを有線LANで構築するご依頼も増えています。この場合でも各部屋10ギガにする必要があればポート数を増やす必要があり、やはりスイッチングハブの出番となります。
※イージーメッシュについてはお調べください。

パソコン・スマホ・その他デバイス

これは絶対に使用しているパソコン・スマホです。

勿論、こちらも10ギガに対応する必要があります。

スマホについては詳しくありませんが、ほとんどの方がご使用になっている機種は10ギガに対応していないでしょう。

詳しくは型番で調べて下さい。

パソコンについても同様でほとんどは1ギガまでの対応でしょう。

パソコンはある程度、拡張で対応が可能ですが、こちらも専門家に相談したほうがよいでしょう。

思い切って10ギガ対応のパソコンに買い替えるのも手ですね。

その他

他には何があるでしょうか?

例えばテレビをネット接続している方も多いでしょうしゲーム機もそうですね!

スマート家電もあります。

このあたりまで来ると対応しきれませんし家電については現在のところ対応の必要すら感じません。

テレビやゲーム機については次世代には10ギガ対応の製品が順次販売されるでしょうから時期が来れば買い替えればよいのではないかと思います。また拡張製品の販売もあるかもしれません。

最後に思いついたのが、UTMですね!

UTMはセキュリティ強化のために設置している事業者が多いと思います。

内容については調べて頂くとしてUTMはネット回線とパソコン・スマホの間に設置します。

見た目はスイッチングハブとほぼ同じです。

UTFは業務用で導入対象は法人・事業者となります。

また基本的にリース契約している事が多く、現在設置されている製品が10ギガ対応でなく、交換が必要な場合リース残年数によりますが、リース組み換え、または別契約になるのではないでしょうか。(詳しくは導入している担当会社にご相談ください。)

ここまでのまとめ

いかかでしょうか?

プラン変更を申し込むだけではなく意外に自身で対応する必要が多くある事や全ての機器を10ギガ対応にするには環境により、費用がかなり必要になる事もご理解して頂けたと思います。

また、費用だけでなく意外なトラブルが発生する事もありました。

業務用システムが起動しない。

今回は実際に発生した事例をご紹介したいと思います。

症状

お客様からのお問い合わせは「業務システムが起動しない」と言う事でした。

症状を確認するとシステムを初回起動すると最初にIDとパスワード入力を求められます。

勿論、正規のID・パスワードを入力しますが、本来であれば2~5秒以内で起動するはずのシステムがいつまでたっても起動しません。おそらくID・パスワードをネット経由しシステム会社サーバーで認証確認を行いシステム起動の許可をしているのだと思います。

また発生のタイミングはハッキリしており、ネット回線を10ギガに変更してからです。

回線はNTT光コラボです。

これは余談で断言できませんが、いわゆるクラウドシステムではなさそうです。

業務システムなどの個別トラブルはシステムのサポートセンターに連絡して頂く事が優先ですが、お客様は既にご相談したそうです。

サポートからの解答は「なんらかのセキュリティがシステムの通信を遮断しているので、環境内でそのような事がないか調べて下さい。」でした。

環境の確認

サポートからの解答を参考に環境を確認しましたが、特に通信を遮断している様子はありません。現在の環境は他の業者が行っており、参考のため連絡させて頂きましたが、特にそのような設定はしていないようでした。

勿論、NTTや光コラボにも連絡しましたが、解決する事はありません。

ちなみにネット閲覧やネットワーク機器(複合機やNASなど)の動作は問題ありません。

問題の業務システムだけにトラブルが発生している状態です。

他の環境でも症状は発生するのか?

ネット回線を10ギガに変更してから発生している事はハッキリしているので、お客様に依頼し、他の環境では症状はどうなるのかを確認して頂きました。

結果は問題なし

自宅では問題なく起動したそうです。

当店のポケットWiFiも試しましたが同様、問題なく起動します。

となると10ギガに変更した事で何かあるのでしょうね。

今回の解決方法

NTTとプロバイダーに詳しく説明して更に原因を探りましたが、やはり特定には至りません。

しかし解決するとは断言できないが、新たにルーターを設置して、ネット接続をホームゲートウェイからルーターに移行してはどうかと提案されました。

なるほど、やってみる価値はありそうです。

幸いビジネスフォンなど影響を受けそうな環境はありません。

「Ipv6 IPoE」接続なので、プロバイダーのサービスに適用したルーターを用意して設置しました。

「PPPoE」とは違いこちらで移行はできませんからプロバイダーに作業を依頼します。

連休明けに確認すると業務システムは問題なく起動するようになりました。

本当に良かったです。

あとがき(重要)

今回は10ギガプランに変更する時に確認してほしい事をまとめてみました。

また10ギガプランに変更した事によって思わぬトラブルが発生した事例もご紹介しました。

今回、皆さんに気を付けて頂きたいのは10ギガプランに変更する事でなにかが発生するかも知れない事を予想してください。

前半はネッワーク機器についてご紹介しました。

ここでは、特に今回のような業務用システムやクラウドなどは必ず開発元メーカーにプラン変更に問題がないのかを事前に確認する事が重要です。

これを怠るとお仕事に影響が出るので手間でも行うべきと考えます。

それでは、お疲れ様でした。

ご注意

記事内容についてのご質問の受付は時間が取れませんので行っておりません。

ご自身が使用しているパソコンの状態・環境により、同じような症状であっても同じとは限りません。したがって記事に書かれている内容を行う事で必ずトラブルが解消されるとは限りません。またこの記事を参考に作業される場合は自己責任でお願いします。作業された場合での損害や障害が発生しても当店は一切責任は負いませんのでご了承下さい。

この記事の内容は投稿日時点での内容です。時期によっては仕様などの変更により、この記事のとおりではない場合もございます。