SoftBank Airを色々調べてみました。

こんにちは! イマジネットPCサポートの橋崎です。

今回はSoftBank Airの速度が遅く改善できないかと言うお問い合わせがあり、思い返すと当店では据え置き型のホームルーターの対応はした事がありませんでした。今回は実際に現地で作業すると色々な事がわかり当店としては非常に興味深い内容となりました。

今回はその内容を皆さんとシェアしたいと思います。

実は2度目の対応

SoftBank Airはいわゆる据え置き型のホームルーターを使用してネット接続をするもので、回線工事などは一切必要なく、小さい加湿器ほどの機器をコンセントに繋ぐだけでネットに接続できるようになる非常に手軽なサービスです。

お客様が使用しているAirターミナルの型番は「CKB01」と機種はAirターミナル5と5Gに対応しておりWiFi6の機種で回線速度は最大「2.1Gbps」となっていました。

また、お客様の地域は5G対応エリア内でした。

お客様は概ねネット閲覧は問題ないと言う事ですが、以下のような点が気になるようです。

  • 時間によりネット閲覧が遅くなるまたは出来なくなる。
  • 回線が不安定になる時間の多くは平日の夕方以降。
  • 特に土日は日中から不安定になる事が多く、使用に耐えないレベルになる事もある。

なるほど、確かに据え置き型のホームルーターはスマホで使用している電波と同じものを受信してWiFiに変換しています。仕組みとして基地局内の電波使用量の増減は時間帯により流動的になるので、回線の混み具合によってはこのような事があるのもしようがない面もありますね。

そうは言っても使用に耐えないレベルにまでなると困りますしお試し期間は過ぎているようです。

どのような状況なのかまずは確認してみましょう。

実は今回のお客様からの依頼は2度目となり、以前は約3か月ほど前になります。

まず最初に3か月前の状況からご説明しましょう。

3か月前の対応(8月)

最初にお伺いした時は平日の正午過ぎでしたが、特に速度が遅いような不安定な感じはありませんでした。

据え置き型のホームルーターは基地局からの電波状態と回線の混み具合が品質にかなりの影響があるので、まずは電波強度と回線速度を測定します。

Airターミナルの電波強度は本体のLEVELランプでも判断できるようですが、強度60%でも良好と表示されるので、あまりあてにできない印象です。

電波強度は本来であればスマホアプリで調べる方がよいのですが、今回はAirターミナルの設定画面から確認します。

Airターミナルの設定画面はブラウザから「192.168.3.1」で開き、電波強度はログインしなくても確認ができそうですね。

当初の電波強度は約58%~60%で回線速度はFASTで計測すると30Mbps~50Mbpsの間でした。

普通に使用する分には問題なさそうですが、第一印象としてはモバイルルーターとあまり変わりませんね。正直に言って思ったより遅い印象です。

では、電波強度は改善されるのか設置場所を色々と変更して試してみましょう。

一応、取扱説明書には窓の近くに設置するように記載されていますが、そうとも限らないようですね。(勿論、設置する地域や場所、環境によると思いますが)また、強度はほんの数センチ移動させるだけで5%上がったり下がったりするので意外に設置場所を決定するのは面倒な印象です。

色々試した結果、電波強度は58%~60%→65%~75%まで改善しました。

では、速度はどうでしょうか。同じくFASTで計測してみます。

すると数値はみるみる上がりなんと150Mbpsをこえ180Mbpsまで改善しました。

数回、測定すると120Mbps~150Mbpsで落ち着いたようです。

10%程度電波強度を改善するだけで思ったより速度が上がりますね。

すこしビックリしました。

お客様にも確認して頂くと、前と比べるとネットが速くなっている事が体感で実感できると言って頂けました。

しかし、当店としては回線が混んだ時にどうなるのか、また5Gエリアにも関わらず4Gで接続している事が気になりましたが、回線速度は確かに改善されているので、お客様はとりあえずこれで様子を見てみると言う事でした。

この記事ではお客様に合わせて回線速度の計測は有線で行っています。

今月の作業(11月)

前回の訪問から3か月ほど経過して再度、お客様からご連絡を頂きました。

内容は以前と同じですが、お問い合わせ内容を伺うと以前より悪くなっている印象です。

同じように電波強度と回線速度をFASTで計測してみると

電波強度が3か月前より弱くなっています。

設置場所は印を付けさせて頂いているので移動している事はまずありません。しかしそれ以上に驚いたのは速度です。3か月前は150Mbpsと100Mbpsを下回る事はなかったのにこの落ちようには正直驚きですよね。

では、以前のように電波強度が改善されるのか設置場所を変更してみましょう。

なんとか頑張ってここまで改善しました。

これで以前を同じぐらいですね

では、速度を計測しましょう。以前のように爆上がりすると思いきや

結果はこれだけではなく数回測定しましたが、落ちる事はあっても上がる事はありませんでした。

また、日や時刻を変更して何度も確認しましたが、残念ながらこの数値からほとんど変わる事はありませんでした。

状況はもはや3か月前の状態ではありませんね。

4Gから5Gに変更してみると・・・

では、以前気になっていた5Gエリアにも関わらず4Gになっていた点が改善できないか確認してみる事にしましょう。

本来であれば5Gエリアであれば自動で5Gに接続されるはずですが、そこはさておき調べてみるとこの現象は意外に多いのでしょうね。5G提供エリアでも5G接続ができないと言う記事が結構ありました。

したがって対処方法もスグに見つかり早速、手順通り試してみました。

  • Airターミナルに接続しているスマホ・パソコンの接続を解除する
  • 電波状態の悪い場所へ移動する
  • その場で初期化する
  • 初期化後、しばらく放置すると5G接続になる(はず)

この方法は4Gの電波状態を悪くして5Gに接続させると言うものです。

もう少し具体的に解説すると2番の電波状況の悪い状態ですが、今回は53%を切る場所がありませんでしたが、問題なく5Gになりました。あと、4番のしばらく放置は30分から60分と解説されていましたが、今回は30分で5Gに切り替わりました。もしかすると地域や環境により違う事があるかも知れませが、参考にしてください。

では、数値を確認してみましょう。

設置場所の変更はないのですが、電波強度が4Gと比べると落ちていますね。

設置場所を変更しても65%程度が限度で70%を超える場所は建物内にはありませんでした。

これで速度を計測してみましょう。

ダメですね。

何度も電波の改善や速度を計測しましたが、4Gの速度を超える事はなく、これでは5Gにした意味が全くありません。

逆効果でした。

5Gの電波環境がよくない地域では4Gの方が安定しているようですね。

まとめ

作業の一連を時系列でまとめておきます。

  • 作業前の電波強度は58%~60%、回線速度は30Mbps~50Mbps
  • 電波強度を改善すると劇的に速度が改善した。電波強度は65%~75%、回線速度は120Mbps~150Mbps
  • 3か月経過後、電波強度は60%前後、回線速度は40Mbps以下
  • 再度、電波強度を改善するが、回線速度は60Mbpsを超えるのがやっと
  • ここまでは4Gですが、5G接続に変更して再度確認
  • 5Gの電波環境が悪く4Gより回線速度が落ちる

補足ですが、計測できる回線の最低速度は一桁台まで落ちます。

回線が不安定な時は計測不能です。

お客様には一応、当店立ち合いの上、サポートに当店が行った以外に改善方法がないか確認して頂きます。

何かあれば追記します。

あとがき

今回はSoftBank Airに対してネガティブな内容でしたが、紹介している内容はあくまで一例で全体的な傾向ではない事をご理解下さい。この記事をご覧になられたSoftBank Airユーザーの方が「私のところでは快適に使用できている。」そのような事も勿論、あると思います。そのような事を否定する意図ではありません。

また、ひとつ言える事は今回のお客様の場合は確かに回線速度は高速とは言えませんが、普通にネット閲覧やYouTube動画を楽しむレベルであれば問題はないと思います。

ただ、回線が不安定になると・・・と言うところです。

また、ネットゲームや4K動画を楽しむ目的であればこの速度では少々不安です。

更にこの記事でも書きましたように宅内の設置場所を変更してない状態でも時間の経過で電波強度が落ちていました。原因はわかりませんが、ネットでは基地局のアンテナの方角を変更する事もあるのではと、そのような内容を書かれていた記事もみました。

正直、この3か月の間にアンテナの向きを変更したのか本当のところはわかりませんが、そうだとしたらちょっと勘弁してくださいと思います。

いずれにしても据え置き型のホームルータータイプの回線の品質は設置する地域、基地局の方向と距離、周辺の建物の環境にかなり左右される事はわかりました。更に回線の混み具合による影響もあり、これらいずれの問題にしても使用するユーザー側ではどうする事もできませんから契約は慎重に検討する必要がありそうです。そのような事からSoftBankではお試し期間が設けられているので、その間に接続状態の品質を念入りに確認するべきだと思いますね。

ちなみにSoftBank Airは8日間らしいです。

更に言えばそもそもネット回線を選ぶ際には、まず固定回線からの選択を考慮すべきでしょう。いくらお試し期間があると言っても通信に影響が出る場所に建物が新たに建設される事もあります。その当たりも想定すると、とても8日間では足りません。

据え置き型のホームルータータイプはどうしても固定回線の工事ができないなどの理由がある時に選択肢に入れるべきだと考えます。

それでは、お疲れ様でした。

ご注意

記事内容についてのご質問の受付は時間が取れませんので行っておりません。

ご自身が使用しているパソコンの状態・環境により、同じような症状であっても同じとは限りません。したがって記事に書かれている内容を行う事で必ずトラブルが解消されるとは限りません。またこの記事を参考に作業される場合は自己責任でお願いします。作業された場合での損害や障害が発生しても当店は一切責任は負いませんのでご了承下さい。

この記事の内容は投稿日時点での内容です。時期によっては仕様などの変更により、この記事のとおりではない場合もございます。