EPSON PX-105インクが詰まったのでヘッドを洗浄してみました!

こんにちは! イマジネットPCサポートの橋崎です。

先日、パソコントラブルでお伺いした時ですが、その作業終了後にプリンターの件でお問い合わせを頂きました。

3年ほど前に購入したEPSON PX-105の黒インクが詰まってしまい、全く黒が印刷できなくなってしまいました。他の作業もご依頼頂いておりプリンターはさほど使用しないので時間のある時に見て下さいと言う事でお預かりしました。(お客様宅では3回ほどノズルクリーニングは実行したのですが、改善せず。)

今回はEPSON PX-105のプリンターヘッドを取り外して確認してみたのでご紹介したいと思います。

分解のご注意

分解をご自身で行う場合は自己責任でお願いします。

パソコン等の分解にはある程度の知識と経験が必要なので、不用意に作業しないようにしましょう。

記事については作業ポイントを中心に掲載しております。従って全ての作業工程を掲載している訳ではありません。また同機種であっても出荷時期の違いでネジの位置や本数が異なっている場合もあるので、記事を鵜呑みにせず、必ず作業対象パソコンの現状を確認するようにして下さい。

当記事では「簡単に取り外せた」と記載していても機器には使用環境等の影響で個体差が発生し本体の硬化が進行して同機種であっても作業が困難な場合があります。

また実際に作業をされた場合に「大丈夫かな?」と不安に思った場合は深追いせずに作業を中止して下さい。パソコン破損やご自身のケガに繋がります。また初歩中の初歩ですが、感電のおそれがありますので、バッテリー搭載パソコンは必ずバッテリーと電源コンセントを取外し、搭載していないパソコンの電源コンセントは必ず抜いて作業して下さい。

最後にメーカー保証期間中の機器では分解をする事で保証がなくなる場合があるのでご注意下さい。

インクジェットプリンターは定期的な使用をお願いします。

インクジェットプリンターのインクが詰まるトラブルは非常に多いトラブルです。メーカーもそのあたりは認識しているので最初からノズルクリーニングのユーティリティが用意されている事がほとんどです。

しかしこのユーティリティの効果も限度があり、強烈な詰まりの前では効果がない事もあります。

そのため予防する事が重要なんです。

予防ってどうするの?

特別になるかをする必要はありません。

定期的にプリンターを使用する事が詰まりの予防になります。

つまりインクノズルのインクを常に新しい状態に循環させる事が予防になります。

日常的にプリンターを使用して印刷している方であれば問題ないのですが、お客様によっては年に数回、いや年賀状の時期、一度だけの使用と言う方も珍しい事ではありません。

そうするとノズルのインクは循環せずに固まってしまいます。

なので、プリンターを使用する必要がない場合でも1週間に一度はプリンターを使用するする事をお勧めします。但し期間については確定的な事は言えません。一週間で詰まった場合は期間を短くする必要もあるでしょう。逆であれば期間を伸ばしてもよいと思います。つまりケースバイケースと言う事です。

ですね!

先程、ノズルクリーニングユーティリティも強烈な詰まりでは効果がないと言いましたが、ほとんどの詰まりは数回実行する事で改善する場合がほとんどです。

しかし今回のEPSON PX-105はノズルクリーニングでマゼンタは徐々に改善しました。シアンは特に不安定な状態で出たり出なかったりします。イエローと黒は全く改善しませんでした。

シアンの動きが気になりますが、分解して確認してみましょう。

参考なさる方にはご注意があります!

今回は分解に対する事だけでなく現実的な点でもご注意があります。

今回はかなりの量のインクを使用します。現在使用しているインク残量はどのぐらいありますか?

新品以外であれば追加の必要はないかもしれませんが、半分以上使用している場合もう1セット必要になるかも知れません。現在EPSON PX-105のインクは純正セットで4000円以上はするでしょう。

そしてこのEPSON PX-105は3年前に9000円ほどで購入されています。

インク代に作業料金を足すとはたして修理を実行するのかも検討する必要があります。更に追い打ちをして申し訳ありませんが、今回の作業で必ず詰まりが解消される保証はありません。

ご自身で作業された場合、作業料は発生しませんが、手間とインク代をかけても改善しない可能性がある事も念頭に実行してください。

EPSON PX-105インクヘッド取外し方法

汚れます!

今回ご紹介する作業はインクを使用した部品を取り外したり、洗浄する事でインクが飛び散りまわりや手も汚れます。汚れてもよい服装、場所で作業しましょう。

すいません。

わかりやすくご紹介しようと撮影していましたが、無理ですね。

とても写真では伝わらないと判断したのでYouTubeにEPSON PX-105のヘッド洗浄方法の動画をアップしている方がいらしたので、リンクを張っておきます。

「高専卒」サービスエンジニア修理チャンネル

【分解解説修理】EPSON PX-105 インク詰まり

とてもわかりやすいので非常に参考になると思いますが、何点か補足しておきます。

インクカードリッチ交換位置で固定

お断り

メーカーの説明ではインクヘッドを手動で動かす事は故障の原因になると言う事です。

くれぐれも作業は自己責任でお願いします。

最初のシーンでインクカードリッチを本体から取り外す場面がありますが、通常電源を切るとカードリッチの位置は右端に格納されて動かす事ができません。

しかし分解は今回に限らず電源は必ず切ってから行います。

当店では以下の手順で行いました。

本体からのインク交換はインクランプが点灯していないと実行する事はできません。インクがある状態でも交換を実行する場合はパソコンから行う必要があります。(取り外すだけなので、実際にインク交換はしません。)

  • プリンターユーティリティからパソコンを使用してインク交換を実行する。
  • インクカードリッチが交換位置まで移動して停止した事を確認。
  • コンセントを抜く。

最後は電源を切る動作ですが、本体の電源から切ると右端に格納してしまうのでコンセントから抜きます。

コンセントを抜いた状態のままなのでインク交換位置で止まります。

使用する工具

通常のドライバーはあると思うので問題ないでしょう。

精密ドライバーは内部の部品にある爪を外す際に必要です。

プリンター内部は暗く非常に見づらいのでライトが必要です。

こんな感じのタイプが便利です。

精密ドライバーとライトはなくても作業出来ると思いますが、洗浄に使用するポンプは必要です。

注射器タイプのスポイドはネットで100均でも購入出来るとありますが、化粧用で直径が足りません。当店はホースに柔軟性があるので直径3.5ミリを押し込んで使用しました。

結構ねじ込んだので、おそらく4ミリ必要だと思いますが、多分ホームセンターでもないと思うのでネットで購入するのが便利でしょう。

代用であればスポイドでも良さそうです。スポイドであればホームセンターでも購入でき、直径も先が狭く徐々に広がる構造なのでカッターを使用して直径の調整ができます。

店頭で良さそうなサイズを購入します。

洗浄は時間をかけてじっくりと

動画の洗浄シーンは割と短めです。

多分、元々の詰まりがひどい状態ではない様子なので編集の加減もあると思いますが洗浄時間は短めですよね。

ちなみに当店が作業したEPSON PX-105は黒とイエローが中々貫通せずに時間がかかりました。

無理に押し込むのは良くないと思ったので、お湯でじっくりと溶かすイメージで何度もやさしく圧をかけました。

したがって動画よりも何度も繰り返し洗浄を行いました。

部品の乾燥

インクヘッドの洗浄後、部品の水分ふき取りは勿論、ケーブルの接続部をエアーダスターで乾燥させてから1日放置しました。

結果は?

組み立て作業完了後、動作確認すると動画でもあったように当店の場合は4回ノズルクリーニングをする必要がありました。

その後、洗浄以前は全くでなかったイエローと黒が問題なく印刷されて成功と思いました。

が、しかし数回、印刷を繰り返すと徐々にシアンがかすれ始めて、ついには全く印刷されなくなりました。

そして更に黒もかすれ始めてきました。

どうもシアンの動きが最初から怪しい様子でしたからね。(シアン洗浄時は特に詰まりは感じませんでした。)

しかし、洗浄する事で最初だけでしたが、不安定な状態は解消されてキレイに印刷された事も事実です。再度ノズルクリーニングを実行しようと思ったのですが、何度も繰り返すうちにインクがなくなりました。

パソコンからインク残量を確認するとあとわずかですが、インク切れている表示ではありません。しかし何度もインクカードリッチを取り外したりしているので誤認識している可能性もあります。

その場合インク切れが原因とも考えられるので交換したいのですが、費用の事があるので、それはお客様に相談が必要ですね。

しかし本体の価格を考慮すると中々難しいかも知れません。

今回はスッキリと解決した訳ではなく申し訳ございませんでした。

それではお疲れさまでした。

ご注意

記事内容についてのご質問の受付は時間が取れませんので行っておりません。

ご自身が使用しているパソコンの状態・環境により、同じような症状であっても同じとは限りません。したがって記事に書かれている内容を行う事で必ずトラブルが解消されるとは限りません。またこの記事を参考に作業される場合は自己責任でお願いします。作業された場合での損害や障害が発生しても当店は一切責任は負いませんのでご了承下さい。

この記事の内容は投稿日時点での内容です。時期によっては仕様などの変更により、この記事のとおりではない場合もございます。